「文字は人なり」
私は5歳のころ、従妹の影響で地元の書道教室へ通い始めました。
当時何を書いていたかはもうすっかり忘れてしまいましたが、半紙に二文字ひらがなで大きな字を書いていたような記憶があります。
元来教育熱心な母のおかげもあって、書に関してはとことん最後までやり抜くことを教えられました。
書道教室のS先生も、幼少の私に対して粘り強く懇切丁寧に教えてくださいました。
今私が書家として立っていられるのも、この母とS先生のおかげだと思っています。
実際大人になって、楷書が人よりも上手に書けるのは、幼少の時の基礎があるからだと思います。
楷書は、行書や草書のようなくずし字と違って誤魔化しがきかない分、大人になって書くのが一番難しいのではないでしょうか。
私は子供の時に書道を習わせるのはとても大切だと思います。大人になっても字が上手な人はやはり多くの場合、幼少のころ書を学んでいた人が多いからです。
雑誌ニュートンの編集長で、地球物理学者であられた、故・竹内均先生も、著書の中で、自分の字の汚さを恥じ、自分の孫娘には書を学ばせることにしたというようなことも書かれていました―『勉強術・仕事術・私の方法』(知的生き方文庫)―。
その書物には、「『文字は人なり』で、自分をよりよく演出したいなら、まずうまい字を書くように努力すべきである。」とその章では締めくくっています。
書を学ぶことによって自分の価値をも高めることができるので、書は人格とも直結したものともいえ、パソコンのワードで作成したプリンターの活字書きの全盛の世の中であるためにかえって重要なものとなってくるでしょう。

楷書は初めて文字に触れる小さい子どもたちが初めて出会う書体でもあります。行書や草書とは違い、とめやはらいをきちんとごまかさずに書かなければならないので、私も子どもたちに教えるときにとても難しいです。
自分の名前くらいは、楷書でびしっと書きたいものです。
by belle (2017-01-22 14:39)
こんばんは!
そうですね。楷書は子供たちが最初に習う書体ですが、教える方は大人ですので、書道をされた経験がないと教えるのが大変ですよね。
「永」 という字は、それ一文字で「とめはねはらい」がある文字なので、この字を練習されると一石二鳥になるかもしれませんし、教えるとき役に立つものと思われます。
名前は大人になっても、記帳で筆をもって書かれることも多いので、子供のうちからちゃんとやっていた方がいいですよね。頑張っていきましょう!
by 鳳凰 (2017-01-22 17:25)